IPS液晶モニター「HYUNDAI W241DG」と「DELL 2209WA」
2009-08-
HYUNDAI W241DG H-IPS
http://files.hyundaiit.com:2010/product/spec/jp_spec_monitor_wseries_w241dg.pdf
この機種は2009年初頭の地デジ環境構築時に当方の条件を満たす数少ない選択枝のひとつでした。
その条件は・・・
1.自室にて1メートルの距離から見るので24インチが上限(設置スペースと視聴距離の制約)
2.下から寝転がって見ることもあるので、上下に広い視野角のIPSパネル
3.予算5万円まで
多くの人が考えるように、テレビをメインにパソコンもできるような機種を探しましたが、液晶テレビを探しても22-24インチクラスは20インチと26インチの狭間で適当なスペックと価格のものがないのですね。
シャープの「AQUOS LC-22P1 (22) 」くらいが候補に挙がる程度です。ですが、この機種はVAパネルで色彩が薄いという書き込みもあり、テレビをメインに考えた時、価格対効果の面で躊躇しました。同じ6-7万円だすなら26-32インチのIPS液晶テレビ(2008末から2009初頭ではパナや日立のIPSαパネル機種)が買えますし・・・
でも、リビングにビエラの26インチを持ってましたが、1メートルの距離から見るとさすがに圧迫感もあり、1366*768の画素数では粗も目立つのです。でも、20インチ液晶テレビになると、小さすぎて迫力なし。22-24インチでないと、近い距離からの視聴に耐えないのです。
そこで、当時数少ない5万円以下で買えるIPS液晶ということでこの機種を導入しました。送料・ドット欠け保証込みで43.000円くらいでしたが、今では(2009-08)最安値35.800円!! いくらウォン安とは言え、近く新型でも出るのか?って感じですね。
まず、デスクに置いた際の感じ。
炬燵の上に24インチなので、結構圧迫感があるかと覚悟してましたが、それほどでも。19インチスクエアと並べるとさすがに大きい印象はありますが、液晶テレビと違ってフレームやサイドスピーカーがない分24インチでも収まりは悪くないです。
あと、視点移動が結構大変かと事前に危惧してましたが、80-90cmの距離からなら問題なし。ちょっと座椅子に背もたれしながらだと、100cm前後の距離が取れるので、大画面も視点移動が大変ということはなし。むしろ、作業スペースが広まった分、一覧性が向上して快適!
画素ピッチは0.27ですが、さほど文字が小さいという感じは受けません。解像度が高く(1920*1200)て、精細感があり、グレアということもあって、視認性は極めて高いので、文字の判別が容易だからでしょうか。。
ただ、若干バックライトの光ムラがあって、微妙に色合いが違う。それも気にすれば気づくけど、実際の使用上はさほど問題なし。白やクリーム色のバックの場合、時々気になるものの、濃色系の場合やデジカメ画像を表示させた際はほとんど気づかないですy。全面、濃色や黒なら光ムラがハッキリしますが、実際はそういう表示は滅多にしませんので、許容範囲です。
ただ、このバックライトムラ・光漏れは個体差があるようで、初期のロットでは結構まぶしいとの口コミも多いようです。最近のロットではどうなってるんでしょうか。。。
グレアということで映り込みはありますが、ま後に光源があるとか特殊な環境で無い限りは、普通の表示(明色系のバック地のページ)ならほぼ移りこみは分かりません。ただ、濃い色・黒系の表示面積が広くなると、ピアノブラック的なひかり具合になり、映り込みが気になります。
では、肝腎の画質。
1.パソコンモニターとして見た場合
アナログ接続はRadeno 2400と 3450で試しましたが、自動調整だけでなく、いろいろ調整しましたが、ぼやけた感じが抜けません(1920*1200)。グラボのD-SUB出力自体が最近はおまけ程度の位置づけですので、仕方ないかな。フル画面表示でなく、1280*1024とか1680*1050くらいの画面表示(解像度部分だけ表示させる)ならそこそこって感じですが、どうも使いにくいです。
次は、付属のDVIケーブルでのDVI接続の場合です。
実は、2009年2月に購入した際にも、付属のDVIケーブルでRadeon3450(クロシコ)と繋いでデジタル表示させてみたのですが、その際はいまいち調整に慣れてなかったこともありますが、デジカメ画像が粗くて、暗くて、これはPCモニタとしては使いにくいと思い、地デジ専用にしておりました。
ところが、最近、再度画質を確認したら、グラボによって若干の差はでますが、概ね鮮やかな発色。グレアパネルということもあって、デジカメ画像は特にすばらしい。
当方はRadeonのエントリークラス(HD2400/3450)を愛用してますが、最近のドライバでは「Catalyst Control Center」でかなり調整も効きます。恐らく、ドライバの改良などもあって以前より画質向上!!最新のVer9.7からは動画関連の調整項目も追加されて、画質調整のできないプレイヤーも調整できて便利です。
Catalyst Control Center ⇒ Color にて、ガンマ0.95、明るさ5、コントラスト85
モニタ本体のコントラスト設定を上下させる場合、色調よりは明度が上下している感じが強いので、グラボのドライバでは白飛び感を抑え、諧調が判別しやすいよう、コントラスト設定を小さめの値にしました。明度は、モニタ本体のコントラストで補正します。
Catalyst Control Center ⇒ Digital Panel Avivo Color ⇒ Avivo Color Correction
色相(Hue)5-8、彩度(Saturation)110-120程度の数値に変えると、赤味というか鮮やかさがでます。
その上で、デジカメ画像を確認する際に使用するビューワーソフトのガンマ値を1.20-1.25(実質1.15-1.20)にします。テキストにはガンマ0.95が適用され締った感じに見え、デジカメ画像にはガンマ1.25が適用されるので黒潰れが回避できるのは便利です。
モニタ本体の調整では、「明るさ」・・・5-10 「コントラスト」・・・38-45くらいで十分明るい感じになります。明るさは0-1でも十分です。
モニタ本体の「カラー調整」・・・「標準」では暗い感じの色味になりますので、「ユーザー」にて「赤91-92、緑87-88 青95-96」とし、明るさと色味を好みに調整。テキストとデジカメ画像を両立させるとこの辺りに落ち着きます。
あと、明るさ0、コントラスト20くらいに落としても眩しい場合、ウィンドウズの画面設定で、ウィンドウ(バック地)の背景色を真っ白からベージュとかライトグレーくらいに変更しておけば、目に優しくなります。(真っ白を背景色に指定したサイトではどうしようもありませんが・・・)
2.テレビモニターとして見た場合
購入当初はそれまでが14インチのブラウン管テレビでしたから、解像感に感動してました。ですが、慣れてくると欠点も意識されるようになります。
最大の難点は「暗所表現」。コントラストが「800 : 1」なので仕方ないと言えばそれまでですが、暗いシーン(夜、電気をつけない室内など)では人物の顔やシャツの色調などが判別できず、暗くて見えないのです。(後述のDELL 2209WAでは同じ録画番組の同じシーンが問題なく見えている)
リビングのビエラが「6000:1」で、暗いシーンでも『WコントラストAI』技術でバックライトの光量を適切に絞って引き締まった黒を表現してるのに慣れてますので、もう暗い場面が多い番組は「W241DG」ではアウトです。
「VIERA (ビエラ)」LX75シリーズ3機種 プレスリリース
http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn070129-1/jn070129-1.html?ref=p_news
応答速度に関しては、液晶テレビの倍速機能が付いているわけではないので、ちょっと速く流れるテロップはぎこちない感じで読み取りにくいですが、サッカーとか野球番組は問題なく楽しめます。
ゲームはしないのでなんともいえませんが、通常のテレビ番組では遅延が気になることはありません。強いて言えば、やはりテロップが移動して行く際に揺らいでいるように見えて、読み取りにくい。
暗所表現に難があるのは上述のとおりですが、昼間の野外やスタジオ番組は問題なく楽しめます(ただ、ちょっと色味が薄いです)。自然・風景を映した番組は、画像エンジンなどで絵を作らない分、撮影したカメラの性能がダイレクトに画質に反映されます。高性能なHDカメラで撮影された旅番組はかなり臨場感があります。
24インチ・1920*1080解像度ですので、リビングのビエラ26インチ・1366*768画素より精細感が高くなってます。
『W241DG』を通常のOSD【オンスクリーンディスプレイ】で調整する場合、HDMI・コンポーネントモードでは、、、
明るさ(BRIGHTNESS)
コントラスト(CONTRAST)
色の濃さ(SATURATION)
画質(SHARPNESS)
の4項目になります。
明るさは数値を0とか100とか極端にしない限り、20でも80でもさほど変わらないように見えます。画質(シャープネス)も30-60くらいでほとんど変化がわかりません。
数値を変えて変化がハッキリわかるのは、コントラスト(CONTRAST)と色の濃さ(SATURATION)です。色の濃さは100にしておかないと、色味が薄くて暗い感じになります。
コントラスト(CONTRAST)は100でないと、暗い画面になりますが、100にしても暗いシーンは判別が難しく、ドラマなど見れたものではありません。
他に、色調整があります。
USER User can adjust directly settings of a screen menu.
STANDARD For general Color tone.
DYNAMIC To be Sharper image.
MILD To be Smoother image.
こちらはユーザー設定でDynamicの数字をいじって見やすいものにします。
ファクトリーモード
しかしながら、『W241DG』ではコントラストや明るさを通常設定より大幅に変えることができます。
ファクトリーモードがそれで、電源が切れた状態からモニタの入力切替ボタン「↑」を押しながら、電源ボタンを押すと通常と違うブザー音が鳴ります。そこでモニタの電源が入り、そのあとにMENUボタンを押すとOSDが通常とは違う物に切り替わります。これが、一度電源を落とすまで有効な、『ファクトリーモード』です。
そこで、Menuを選択。明るさ(BRIGHTNESS)を標準の128から150くらいまで上げ、コントラスト(CONTRAST)も標準60から80-90くらいまで適宜上げます。
また、色調整もします。
SCALER_RGB_
Red/Green/Blue 128
標準ではRGBとも128ですので、バランスを取りながら数字を140-150前後まで上げます。Greenを基準として数値が上がると明るさも上がります。ですので、黒潰れ対策が必要な番組に限ってファクトリーモードでモニタを起動させます。
SCALER_RGB_GAIN
R--145
G--155
B--170
標準値が以上ですので、こちらもバランスを取りながら数字を170前後まで上げます。
詳しくは、HYUNDAI 24型液晶モニタ - wiki@nothingを参照。
●詳細なレビュー
以下は、参考になるサイトです。特に、「HYUNDAI 24型ワイド液晶モニタ W241DG レビュー | タコヤキューブ」さんのページは購入の決め手になりました。IPSの鮮やかさが良く出てますので。パソコンのモニターとしてDVI接続で利用するなら、実際に見てもこういう感じです。
・HYUNDAI 24型ワイド液晶モニタ W241DG レビュー | タコヤキューブ
・INOLOG Ver.2: HYUNDAI W241DG の使用感
・艶々モニター導入: Daigoの日々是※欲
・HYUNDAI W241DG 買ったよ。 - Vox
・HYUNDAI/ヒュンダイ W241DG 評価・レビュー [coneco.net]
DELL 2209WA e-IPS
法人販売サイト;http://configure.apj.dell.com/dellstore/config.aspx?c=jp&cs=jpbsd1&l=ja&oc=5113B2209WAOPEN&s=bsd
Dell 2209WAフラットパネルモニター・ユーザーズガイド
http://supportapj.dell.com/support/edocs/monitors/2209WA/ja/ug/operate.htm
自室で地デジ環境を整えたわけですが、パソコンの液晶モニター(以下、LCD)も購入後4年半を過ぎ、そろそろ更新が必要な時期に。2009-08
従来の機種はプリンストン『PTFWD-19』(AUO P-MVAパネル)。2004年販売開始のものですから、HDCP未対応でバックライトもやや暗くなったかなという感じです。とはいえ、24bitフルカラーのVAパネルなだけあって、デジカメで撮影した画像(特に人物の肌の質感)の発色は、最近のTNに比べて格段に上。
まあ、難点をあげるとすれば、よく言われているように、P-MVAパネルで白っぽい(当初はギラギラというか白い粒々感=バックライトが暗くなってからは「のっぺり感」「ベタ感」)絵になってしまうので、人物はまずまずいいにしても風景とかテキストは設定を変える方がいいけど面倒くさくて白いまま使ってしまう、ってところです。
勿論、調整は効きます。モニター本体の輝度やコントラストは初期設定90前後から80くらいにやや下げて、白っぽさ・ぎらぎらを抑えます。次いで色温度の設定で、赤94-96、緑90-92、青100とします。緑を落とすことで人物の肌が黄色くなるのを押さえます。後はグラボの調整機能を使います。
で、TNでなくVAかIPSが置き換え候補の条件になります。
※『GH-ACH243SHB』=1677万色(24bitフルカラー)・フルハイビジョン(1920*1080)TN液晶=を知人宅で見たのですが、視野角以前に、正対して見た場合でも、輝度・コントラスト・ガンマ・彩度あらゆる調整をしても、明るさや色味の点でデジカメ画像を鮮やかに描写できないのに愕然としました。
TNも最近は進化してるかと思ってましたが、テキストを読むにしても視野角の問題で両端の見え方が違ったりしていて、画像は色落ち感が(24ビットフルカラーにも関わらず)どうしても許せないレベルでした。
そこで22-24インチのVAかIPSパネルのLCDを探して見ましたが、現在のところ4-5万円以下では、NANAOの数機種を除くと、ほとんど海外メーカーで2万円前後のTNパネルばかり・・・・VAパネルになると国産・海外産問わずミドルエンド機種で7-10万円くらいですが、厳密なキャリブを必要とするクリエーティブワークの必要性があるわけでもないので、これは予算的に苦しい。
ナナオのVAモニターで、FlexScan S2031W(2009-08現在最安値;34.500円)(VAパネル)、FlexScan S2232W (2009-08現在最安値;53.800円)(VAパネル)、FlexScan EV2333W(2009-08現在最安値;48.500円)(VAパネル)あたりを候補にリストアップ、最寄のEIZOガレリアに実機確認に行こうと考えておりました。
そこにきて、この『DELL 2209WA e-IPS』があることを知りました。
次のページで詳しくレビューされてましたが、如何せん法人向け19.800円!!! IPSとしては破格の価格設定に、「大丈夫か??」という不安からちょっと躊躇しましたが、だめならオクで処分すれば・・・・試しに1台注文。
広視野角をもっと身近に:IPSで3万円切りはオキテ破り!?――デルの22型ワイド液晶「2209WA」に迫る (1/3) - ITmedia +D PC USER
2万円の爆安IPS液晶ディスプレイ:DELL 2209WA レビュー速報版:miyalog:So-net blog
1.パソコンモニターとして見た場合
リプレースする前が19インチスクエアの画素ピッチ0.29でしたので、20インチで1920*1200の解像度だと画素ピッチがかなり小さくなって、画像を見るにはよくても、文字を読むには辛いと考えました。20インチワイドでは縦が19インチスクエアより狭まり、画面を狭く感じることは予想できましたので、22-23インチ1680*1050くらいが適当かな、という目安で。
実際届いてみて、パソコンモニターとして表示させてみると、19インチスクエアからの移行機として、文字を読む点での違和感は全くありません。(画素ピッチ0.28はLCDのなかでは大きい方の数値)横が広くなっただけで、その分サブのウィンドウを開いておける利便性も向上。いい選択だった思います。
ただ、ちょっと「つぶつぶ感」「ギラギラ感」は否定できません。テレビ由来のパネルだからでしょうか、解像度が1680*1050だからでしょうか、テキストを読むには若干粗さというか「滲み」感があります。
ですので、やや距離をとって100cmくらいは離れて見た方がいいかも。あと、明るさは5-10前後まで落とし、コントラストも50-60程度に抑え、数時間程度の利用なら、オフィス用途で大きく疲れるほどはないでしょう。色温度を標準か暖色系にすればテキスト中心の利用に向くようになります。
---モニターのOSD設定---
輝度:昼間・・・15-25 夜間5-15
コントラスト 50-60
・・・・コントラストは初期設定で75だが、白飛び感があって色調が判別できない場合もあるので55前後に。ただ、50以下にしても諧調がよく見えるようになる訳ではないので、55-60程度にして、グラボの調整ソフトで調整します。例;Catalyst Control Center ⇒ Color ⇒ コントラストを90程度に下げることでガンマをさほどいじる必要がなく、色調が判別しやすくなる。
ガンマについては、『ディスプレイガンマの調整』などのページで簡便に調整するといいような。
色設定
入力カラー形式 RGB
モード グラフィックス
プリセットモード カスタム 赤99-98 緑95-97 青99-100
このあたりは好みだが、テキストを読むだけなら「標準」か「暖色」が見やすい。画像を見るなら「標準」ではデジカメで撮影した子どもの顔など人肌がやたら黄色く感じるので、「カスタム」にて赤98、緑95-96、青99-100くらいにしてやや青白みのある画面にしておく。
画面設定
シャープネス 40 ・・・・初期設定50では文字が「カリカリ」に角ばってしまい、30ではぼやけ気味になるので40が最適
動的コントラスト オン
その他
DDC/CI オン・・・・ソフトウェア毎のカラーマネージメント設定がモニターで反映されるようになる。最近は画像処理ソフトやビューワーに独自のカラーマネージメント設定ができ、ガンマ値なども好みにできるものが多いので便利。室内で映した人物の画像はやや暗く感じるので、ビューワーのガンマ値を10-20%上げておくと明るめに見える。
2.テレビモニターとして見た場合
こちらの利用法=テレビモニターとしては全く期待してなかったので、ポジティブサプライズです。アスペクトが16:9に設定できない(4:3または16:10=1680*1050の2択)こと、結構白っぽい感じがする(掲示板など頻繁に指摘されているように、バックライト漏れ?)、という点を除けば、リビングのビエラ『TH-26LX75S』(IPSαパネル)にかなり近い感じの色鮮やかな画質です。
勿論、パソコン用の「グラフィック」モードでなく、「ビデオ」モードに設定して利用する必要はあります。
OSDにて、モニタの電源ボタンすぐ上のボタンを押し、「色設定」⇒「モード選択」にて「ビデオ」を選択します。すると、「プリセットモード」を選択して「ムービー」にします。「色相」は50、「彩度」60-65程度に。
「画面設定」⇒「動的コントラスト」オン、コントラストは50でも十分ですが、暗いシーンが見にくいと思うなら70-80くらいに上げればいいかと。ただし、コントラスト75-80以上になると、暗いシーンも白っぽくなり、バックが黒やグレーの場合、フォント(番組のキャプション・字幕などの文字)が霞んで見づらいという白飛び感が出てしまいます。
動的コントラストが機能することで「最大3000:1」になりますので、暗いシーンでも『HYUNDAI W241DG』に比べ格段に見やすくなってます。勿論、バックパネルの光量を絞ったりする機能が付いているわけでないので、ビエラなどの液晶テレビほど「締った黒」とは行きませんが、個室のテレビとしては--2万円という価格を考えると--コストパフォーマンス抜群です。
勿論、スピーカーもチューナーも別途用意する必要がありますし、モニタを含め、それぞれ電源を入れる必要があるので、誰でもリモコン一発で便利に使えるという代物ではありません。
既にHDMI出力端子を備えた地デジチューナー(あるいはチューナー内蔵のレコーダー)と外部スピーカー(アンプ内蔵)を自室に持っている方なら、テレビモニターとしてもかなり使えるという事です。
注意点は、DVI入力端子しかデジタル系統の入力がありませんので、HDMI⇒DVI変換アダプタを用意する必要があります。これも幾つか試しましたが結構相性があります。安物のケーブル・端子一体型HDMI-DVIアダプタではうまく行かないことが多かったです。
HDMI-DVI変換アダプタ「ADV-762」が今接続して、綺麗に映っているアダプタになります。
ちなみに、『W241DG』のDVI入力端子に「ADV-762」を噛ませて、チューナー(LT-H90DTV)のHDMI出力からD3で地デジを映して見ましたが、映るには映りますが、色が激しく落ちて、セピア色に近い感じになります。したがって、モニターとの相性?もあるような感じです。
『DELL 2209WA』については、「ADV-762」をモニターのDVI端子に接続し、そこにHDMI1.3bケーブルを挿しこみ、『LT-H90DTV』『DIGA XW120』それぞれと繋ぐと、ともにIPS液晶テレビ並みの色味・コントラストで綺麗に映ります。
チューナーとパソコンを同時にこのモニタに接続して切替表示させる
このモニターではデジタル入力はDVIが一つのみで、HDMIやDisplayPortはありません。ですので、パソコンや地デジチューナー、レコーダーなど複数のHDMI出力機器を利用する場合、DVIまたはHDMI切替機を利用します。DVI切替は結構高価ですので、3.000円程度のHDMI切替機を利用するのがお手軽かと。
4ポート HDMIセレクター (パッシブタイプ) Donyaダイレクト DN-HDMI410M
Donyaダイレクト 機械式 HDMI セレクター 入力4:出力1 DN-HDMI410M
UMA-HDMI301 3系統入力対応の超小型HDMI切替器
などが挙げられます。
両方購入して試しましたが、直接DVIケーブルやHDMIケーブルでグラボとモニターを接続した場合とさほど画質は変わらず、実用上問題なしです。
以下、接続構成の一例を挙げておきます。
PC DVI ⇒
⇒⇒⇒ UMA-HDMI301 ⇒ 『DELL 2209WA』
DIGA XW120 HDMI ⇒
↑
↑
LT-H90DTV HDMI →→ DN-HDMI410M
↓
↓
『W241DG』
PCのDVI出力端子からはDVI-HDMI変換アダプタで「UMA-HDMI301」に接続。DIGAおよびLT-H90DTVからは、光出力またはコンポジット出力にて音楽コンポに接続し、外部スピーカーで音を聞いています。また、スピーカーの配置を変えたい時は、予備のパソコン用スピーカーを音楽コンポやLT-H90DTVの「Phone」ジャックに差し込んで位置調整してます。
DIGAから『W241DG』へはD端子−コンポーネント変換ケーブル・SANWA SUPPLY KM-V17-10でD3出力。画質はHDMI接続よりやや眠たい感じがしますが、それなりに綺麗です。
HDMIケーブルも激安のもの(UMA-HDMI15 1.3b-HIGHSPEEDカテゴリ2-1.5M)を使ってますが問題なく利用できてます。
なお、DN-HDMI410M の方は実線接続切替ですから、通常のモニターへの「出力」側にチューナーからのケーブルを繋いで、4つまでのモニターや別のHDMI切替機に分岐させることが可能です。
DELL 2209WAの2台目を買うべきか?
これはちょっと難しいですね。今、部屋に液晶テレビはないが、コンポなりパソコン用スピーカー(外部ライン入力付)はあって、地デジチューナー(LT-H90DTVであるとか、GV-MVP/HZ=PC用USB2.0外付TVチューナーなど)を持っているか、近く買う予定がある、という状況なら「地デジ視聴モニタ」としてなら買ってもいいかな、という所です。
当方はすでに『W241DG』持ってますので、当面2台目を買う必要も意欲もありません。ただ、もし「W241DG」を持っていなかったら、1台はPC専用でもう1台は通常はテレビ専用にして、場合によっては縦でのデュアルモニターにする、という使い方を検討したかもしれません。
ですが、仮にそうしたいと思っても、ここはぐっと我慢した方が来春あたり幸せになれるかもしれません。というのは、e-IPSパネル(もしくはその後継新型パネル)で24-26インチ、フルハイビジョン、HDMI入力のようなスペックのLCDが「30.000-40.000円程度で」出たら、そちらの方がテレビ兼用としては魅力的だからです。
やっぱり、22インチでは若干迫力不足なのです。
加えて、アスペクトの選択枝が多く、そこそこのスピーカー内蔵であったり、LEDバックライトやハーフグレア(最近の液晶テレビに採用)画面など最近の技術が採用されていれば(ここはコスト高要因にもなりますので、解像度やパネル本体ほど重視はしないんですが)、言うことなしですけど。
下でも取り上げてますが、「DELL 2209WA」はテレビ由来のパネルで解像度1680*1050ということもあって、テキスト表示が若干粗いというか「滲み」感があります。実用上は問題ありませんが、長時間使用には別のLCDがいいかもしれません。
グラフィックユーズでも、一部の諧調で色が十分表示できてない傾向があります。プリンストンのVAパネルと比べ、バックライトが明るいというのもありますが、緑系のどこかに色が飛んでいるような違和感(TN的な陰影)を感じることがあります。勿論、それでも価格帯を考えれば十分すぎる発色ですが。。。
とにかく、発色・視野角は同価格帯のTNを凌駕しているのは事実で、法人・個人事業主向け19.800円+送料・消費税=計21.300円(今では29.800に戻っているようですが)という破格の価格で買えるこのIPSモニターは、ピボットも含めて、「神」扱いしてもいいのはないでしょうか。
2台以上はお勧めできませんが、複数のモニタを置ける方なら、1台お試しで買ってみても後悔することはないと思います。パソコン用途とテレビ用途どちらもそこそこ行けますので、融通は利きます。
●詳細なレビュー
広視野角をもっと身近に:IPSで3万円切りはオキテ破り!?――デルの22型ワイド液晶「2209WA」に迫る (1/3) - ITmedia +D PC USER
2万円の爆安IPS液晶ディスプレイ:DELL 2209WA レビュー速報版:miyalog:So-net blog
おきらくごくらく | DELL 2209WA
DELLのe-IPS液晶モニタ2209WAを購入しました - Tari Lari Run
PRAD | Review Dell 2209WA (s)
Review: Dell 2209WA 22" E-IPS LCD
「W241DG」と「DELL 2209WA」の使い分け
さて、最後に両者を持っている者として、どう使い分けするのがベターなのか、ちょっと結論的なことを。
当初、「W241DG」を地デジモニターとして使用してましたが、どうも暗所表現が許せない。そして「2209WA」をパソコン用モニターとして導入したが、実は液晶テレビとしてもかなり使える。ダイナミックコントラストのおかげで、暗所表現にも問題なし。色味はより鮮やか。
じゃあ、入れ替えたらどうか?そのためには、「W241DG」のパソコン用モニタとしての表示を確認する必要が。
その結果「W241DG」は画素ピッチ0.27で、テキストを読むのに苦労しない。それどころか、「2209WA」よりも高解像度であり、グレアパネルであることから「2209WA」よりも「滲み」感が少ない。(同じ70-80cmの距離から見た場合)
グレアなので、地が濃い色の場合は自分の顔とか映り込みがあるが、大体は白やベージュなど明色系がバック(地)のページが多いので、実際の使用で映り込みを意識することはそう多くはない。
デジカメ画像は、当然、高解像度でグレアなので、発色・精細感・広い表示面積からくる臨場感、など、22インチ・ノングレアの「2209WA」より優れている。
また、色味も「W241DG」の方が発色が自然な感じなのに対して、「2209WA」は一部の諧調が飛んでいるというか、TN的な陰影感が感じられることがある。どこか色が足りてないというか、オリジナルのデータがそのままでなく、一部の色が欠落して表示されているのではないか。コントラストを上げて明るい画像にすると、諧調が飛んでその傾向が強くなります。
という検討結果になります。
難点は22インチのLCDを地デジ用に回すので、テレビ視聴が若干迫力不足になり、LCD本体・チューナーに加え、スピーカーの電源を入れる一手間が余計に掛かること、くらいです。(「W241DG」には一応それなりの音量のスピーカー=HDMI連動が付いてますが、2209には無い。)
逆に利点は、
1.パソコン用モニターが24インチになり、広い表示面積と高解像度ゆえにより多くのウィンドウが開け、同時に閲覧できる情報量が多くなる。
2.「2209WA」よりも「W241DG」の方がテキスト・デジカメ画像ともに精細感があって、滲みが少なく、疲れにくい。「2209WA」は白っぽいギラギラ感があり、解像度が1680*1050ということもあって、「滲み」感が多少ある(といっても、輝度を十分に下げ、コントラストを適正に調節し、グラボのドライバソフトで追い込めば、十分オフィス用途でも数時間程度なら使えるが)。
3.地デジ用モニタとしては、暗所表現・色味・鮮やかさ(発色)の点で「2209WA」の方が総合点が高く、リビングのビエラに近い画質(白っぽさ、黒の締りのなさを除いて)。
「W241DG」を地デジ用モニタとして利用する場合、撮影シーンが十分に明るく、特に屋外での撮影などは、グレアで高解像度ゆえの精細感もあり、自然の風景などは臨場感があります。例えば、NHK「週刊 日本の名峰」のような番組は、変に絵づくりをせず、クリアな質感で表示してくれます。
逆にドラマや映画のように暗所シーンが多いもの、アニメや音楽・芸能番組のように鮮やかさを楽しむ番組は「2209WA」が明るさ・発色の点で優れてます。
ということは、最初、「2209WA」をパソコン用モニターとして利用し、後継の新型で24-25インチIPS、HDMI入力、1920*1200解像度が4万円以下で出たら「W241DG」と入れ替えて地デジ兼用にと考えてました。が、それを改め、「W241DG」をパソコンメインで利用し、当面は「2209WA」を地デジ専用で使い、後継で画質・コストファオーマンスに優れた機種がでたら、それと「2209WA」を入れ替える、という路線にしようかと思案しております。
もっとも、専用の液晶テレビで24-25インチクラスに5万円前後で優れた機種が出るのが早いのですが、上にも触れたように、その可能性は当面あまりないのですね。
ですので、HDMI切替機を利用して、必要に応じて両方のモニターでパソコン・地デジチューナーを利用できる体制を構築しております。その点4ポート HDMIセレクター (パッシブタイプ) Donyaダイレクト DN-HDMI410Mのような実線切替タイプは双方向でHDMI機器を入れ替えできますので、複数のモニタを利用する場合は便利です。
参考画像--「W241DG」と「DELL 2209WA」--
※ここで掲載されているデジカメ画像は5年前の400万画素の機種(カシオQV-R40)を用いてフラッシュ発光なしで撮影してますので、実際に見るよりは薄暗い感じに写ってます。EVのゲインも0--+0.3ですので、実際はもっと明るい感じに見えることをお断りしておきます。
1.パソコンモニターとして表示(静止画・テキスト)
※モニタ本体の設定はそれぞれ以下のとおり。
「W241DG」(使用6ヶ月=2009/02〜)DVI接続、輝度20、コントラスト50 カラー調整「ユーザー」「赤91、緑87、青95」
「DELL 2209WA」(使用1ヶ月=2009/07〜)DVI接続、輝度50、コントラスト70 色設定・・・入力カラー形式=RGB、モード=グラフィックス、プリセットモード=カスタム「赤97 緑93 青100」
「Princeton PTFWD-19」(使用4年6ヶ月=2005/02〜)DVI接続、輝度80、コントラスト90、 カラー調整「CU=ユーザー」「赤95、緑90、青100」
グラボ=RH2400PRO-LE256HD/HS(玄人志向・ATI製 Radeon HD2400PRO)、Driverバージョン Catalyst Software Suite Ver.9.7(OS=XP Pro SP3)
Catalyst Control Center ⇒ Color ガンマ0.95、明るさ5、コントラスト85
Catalyst Control Center ⇒ Digital Panel Avivo Color ⇒ Avivo Color Correction 色相(Hue)5、彩度(Saturation)113
使用したパソコンはすべて同一、グラボ・OS・CPUなど同じスペック
デジカメ画像は、キヤノン:IXY DIGITAL 510 IS|撮影サンプルを使用してます。
また、輝度・コントラスト・カラー調整は各機で数値が異なりますが、見た目の明るさがほぼ同じになるように揃えるためです。明度を揃えた場合の発色・色調の違いが分かると思います。厳密なキャリブをするというより、適当な明るさにした場合の見え方で比較しております。
W241DG_scenic
2209WA_scenic
PTFWD-19_scenic
W241DG_scenic_横
2209WA_scenic_横
W241DG_scenic_上
2209WA_scenic_上
W241DG_portrait
2209WA_portrait
PTFWD-19_portrait
W241DG_portrait_横
2209WA_portrait_横
W241DG_portrait_上
2209WA_portrait_上
「Princeton PTFWD-19」は使用4年半ですので、だいぶバックライトが暗く、白味と黄色味(のっぺり感)があります。テキスト表示は白っぽくてやや難がありますが、人肌はノイズや粗が隠れて、だまし的ですが、滑らか感がでます。
「DELL 2209WA」はモニター本体で緑を落としましたが、それでも黄色い感じのデジカメ画像になります。この黄色い感じを避けるには、輝度とコントラストをバランスよく、少しずつ上げて行きます。ただ、諧調が分かりにくくなりますので程度問題ですが。
この中では、「W241DG」が一番自然な感じでデジカメ画像が表示できてます。
2.地デジ放送モニターとして表示(HD番組)
※モニタ本体の設定はそれぞれ以下のとおり。チューナーは「LT-H90DTV」。
「W241DG」HDMI接続、輝度100、コントラスト100、色の濃さ(SATURATION)100、画質(SHARPNESS)35
*ファクトリーモードでの調整は今回はしておりません。ファクトリーモードでRGBの数値を上げると確かに明るくはなりますが、白っぽく飛んだ感じになって実用的ではありません。
「DELL 2209WA」HDMI⇒DVI変換接続、「ビデオ」モード設定⇒「ムービー」、輝度30、コントラスト70(ダイナミックコントラスト=オン)、「色相」50、「彩度」65
「W241DG」01
「DELL 2209WA」01
「W241DG」02
「DELL 2209WA」02
「W241DG」03
「DELL 2209WA」03
「W241DG」04
「DELL 2209WA」04
「W241DG」05
「DELL 2209WA」05
「W241DG」06
「DELL 2209WA」06
「W241DG」07
「DELL 2209WA」07
「W241DG」08
「DELL 2209WA」08
「W241DG」09
「DELL 2209WA」09
一目瞭然ですが、「W241DG」は暗所が判別できませんね。一方、「DELL 2209WA」は、明るいのはいいのですが、締った黒とは言いがたい白っぽい感じ。でも、コントラスト50-55くらいに落とすと、もう少し落ち着きますが。。。